安くて良いヘッドホンは世の中に多々あるかと思いますが、安くてそこそこというとダイソーヘッドホンを候補のひとつとして挙げる方もいらっしゃるかもしれません。……え? ワイヤレスモデルの方が良いだろうって? あれは1,000円超えますから(それでも安い)。
とはいえ、安さ故に気になる部分があるのもまた事実で、そこを「やっぱり安いのは……」と諦めるか、「良いオモチャが手に入った」と喜ぶのかでその先が変わってきます。今回は、そんなダイソーヘッドホンを工作初心者でも対処出来るレベルで見ていこうと思います。
・見た目はつや消しクリアで印象がかなり変わる
まず、ダイソーヘッドホンの外見というと「安っぽい」という印象が強いかなと思います。テカテカのプラスチックなボディは値段相応ではありますが、ヘッドホンというよりは安いオモチャ感がある見た目です。ただ、つや消しクリアを噴くことでかなり印象を変えることが出来ます。
そのまま噴いても悪くないですが、製造時に出来る『パーティングライン』や歪みのようなものを多少は整形できると、グッと見た目が良くなります。これについては紙やすりの400、600、1000番台くらいをかけることで結構良くなります。粗い目の番手でしっかり削り、細かい目の番手で傷を整えていく感じですね。
紙やすりなんか使って、頑張っても細かい傷が消せないんだけど? と思うかもしれませんが、つや消しクリアを噴くことでかなり傷は目立たなくなります。深すぎるとさすがに目立つので、ある程度は整える必要はありますが、そこまで神経質にならなくても大丈夫だと思いますね。本来であればパテやサーフェイサーで整え、塗料を載せてクリアを噴くのがプラモの組み立てですが、今回のやり方はお手軽にプラモを仕上げる方法として紹介されていたりするやり方です。気になる方は動画も結構あるので、『プラモ 成型色仕上げ つや消し』とかで検索すると良いかと思います!
・イヤーパッド交換はオススメ!
ダイソーヘッドホンのレビューで多く見かけたのが「中高音がこもっている」というもの。これらの解決策として「イヤーパッドを交換すれば多少マシになるのでは?」と触れている方が数人いらっしゃったので、「当たればラッキー」という気持ちで交換してみました。サイズは75mmです。
ダイソーヘッドホンの純正イヤーパッドは穴径が小さく、イヤーパッド自体が音を塞いでいるのではないかとイヤーパッドを外した人間であれば思うのではないかと、そう想像できるものです。それに対してもう少し穴径が大きいパッドに交換した場合、音を邪魔しないわけですから、聞こえ方は多少なりとも改善してくれるだろうと期待が出来ます。
実際に交換してみるとまさにそんな感じで、ある種の『重さ』みたいな味は薄れますが、聞こえ方はかなりクリアな感じになります。こもりそのものはドライバー性能の問題なのかハウジングの問題なのか完全には解消は出来ませんが、かなりクリア方向に修正されますね。重低音寄りなドライバーなのでそれが好きということだと『旨味』のないチューニングですが、全体的なバランスとしては聞きやすい方向へとシフトする感じです。
ちなみに交換ですが、ケーブルの根元にある台形っぽい保護パーツが寄っている側の根元にマイナスドライバーみたいなものが差し込めそうな隙間がありますので、そこにそういったものを差し込んで、イヤーパッドを浮かすと徐々に浮いてくるので、周囲を焦らず少しずつ浮かせて分離させます。隙間にはめ込んでいくタイプと異なり、イヤーパドッドの余りみたいな部分がパーツにはめられて固定されているため、無理に引っ張らないと外れないです。
良いイヤーパッドを選んじゃうと本体よりもかなり高くなるので、そこまでする価値があるかは……難しいところです。自分はとりあえず3倍するイヤーパッドを選んでしまいましたが、後悔はしていないです。これ以上だと考えてしまいますが……(苦笑)。
・配線直せば本来の性能が発揮される
いや、これどうかと思う部分ですが、事実なので仕方ないです(苦笑)。ダイソーヘッドホンにはいくつかの組み合わせがあります。
・左右同ドライバー、正しい配線
・左右同ドライバー、正しくない配線
・左右別ドライバー、正しい配線
・左右別ドライバー、正しくない配線
意味分からないかもしれませんが、これ普通に流通しているみたいです(苦笑)。ドライバーの形状が違うのはまあ、カタログスペックが同じものだと仮定すれば見逃しても良いところでしょうが、配線間違えは……。
ちなみに、私は上記組み合わせの中で『左右同ドライバー、正しくない配線』以外全部引きました(苦笑)。いや、そんだけ買ってどうすんだって話ですが。(ちなみに今4つあります)
で、ドライバーが異なるのはニコイチにでもするしかないわけですが(実際、やってみました)、配線に関してはどの誤家庭にもあるはんだごてとはんだで解決できます。何か白っぽいもので固定されていますが、(良いか悪いかは別として)はんだごてで熱してやるとそれも融けるので、融かした後に取り除いてやって、これまたどの誤家庭にもあるはんだ吸い取り線等ではんだを除去します。すると配線が取れますので、正しい組み合わせではんだ付けをやり直して作業完了です。
正しい組み合わせに関しては、ドライバーの詳細な諸元みたいなものがないので何とも言えませんが、少なくとも左右で赤、青の配線が付いているのが逆の場合はどちらかが間違っていると思います。プラスマイナスが逆の場合、音が小さく聞こえたり不具合が出るので、修正しておくのが気持ち良く聴ける第一歩ですね。
(ドライバーにより左の端子が+だったり、逆だったりするみたいです。初心者にはわからん……)
なお、正しい配線にしても音量が小さいという問題は解決しません。配線を正しくすると大きくなる場合もあるようですが、ダイソーヘッドホンの場合は多少変わるものの、根本的な解決には至りません。高級ヘッドホンでもないのに再生機側にパワーが必要なヘッドホンみたいです(苦笑)。
・ハウジング内にフェルト等を貼り付ける
明確な差が出るかというと微妙なところですが、ハウジングが反射する音の影響みたいなものを考えると手を入れても良いんじゃないかなと思える部分です。吸音材をハウジング内に貼り付けるというのは定番みたいな感じの印象を受けたので、初心者はそれに従ってみます。
器用であればハウジングの平面に敷き詰めて、不器用なら最低限ドライバーと同サイズくらいの範囲をフェルト等の吸音材で塞ぎ、外周内側にも可能な限りフェルト等を貼っていきます。こういうのは敷き詰めた方が効果的だと思いますが、吸音材の面積>貼っていない面積であればある程度は期待できるかなと。
個体差が酷いので完全な比較は出来ませんが、手持ちのヘッドホンで確認した感じでは劇的ではないもののビビリのような雑音が減ったように感じます。気持ち聴きやすくなった、という印象です。(データ取って正確に比較したわけではないので、プラシーボとか錯覚の可能性を否めませんが)
・ドライバー裏の穴を塞ぐ
ドライバーの裏側には穴が開いていたりします。これを塞いだりして味付けをしているようですが、ダイソーヘッドホンのドライバーに関しては完全に開放されています。これを塞いでいくと耳に入る音とは逆側に出ている音を抑えることになりますが、それにより雑味を抑えたりする……というやり方みたいです。ただし、結果として音量が下がる弊害もあり得るので、狙っている部分とのバランス取りは難しそうです。ただ、マスキングテープで塞いだりするだけなので、やること自体は簡単です。
ダイソーヘッドホンに採用されているドライバーはどうも低音が強めみたいなので、それが中高音がこもりやすい特性との組み合わせで低音ツヨツヨ、全体の音色はぼやぼやといった印象を受ける場合があるようです。ドライバー裏の穴を塞ぐことで、実はその傾向を変えることが出来ます。これは解放型ヘッドホンと密閉型ヘッドホンの特性の話と同じものなのかなと個人的には解釈していますが、開放している状態の方が低音を強く感じました。低音強めの特性は個人的に好きなのですが、それがバランスの取れた状態であれば良いのですがダイソーヘッドホンはやや低音寄り過ぎな感じがあるので、多少弱めても全体とのバランスが取れた方が結果的に良さそうな気がします。
ドライバーが左右異なる場合はバランス取りが難しいですが、とりあえず同じ数だけ穴を残す(開放しておく)方向で調整していった方が合わせやすいかなと思いました(試行錯誤の結果)。私の個体でいえば、左右別ドライバーでしたが左右とも4つずつ穴を開放した状態で他を塞いだ結果、好みの状態かなと思えるところに落ち着きました。低音は結構抑えられてしまうかなと思いましたが、弱くなりつつもそれでも強めな傾向なので個人的には満足です。
ちなみにこの部分の調整の仕方は『VENT』や『ADAPT』、『REVOLVE』でおなじみのTOMOWORKSさんから頂いたアドバイスがきっかけでした。(頂いたアドバイスはフィルターを取る、でしたがダイソーヘッドホンはフィルターが最初から無かったので、塞ぐ方向に)
出来上がったヘッドホンは質感、聴き心地ともに330円(+α)のヘッドホンとは思えない感じで……とはいきません。根本的なパワー不足を解決していませんので……。このあたりはUSB DACの力を借りるしかありませんね。私自身はTOMOWORKSさんの『VENT』を(予算範囲内で)思いっきり鳴らしたいという想いでMOONDROP(水月雨)の『Dawn Pro』というUSB DACを使用しています。9,000円前後で手に入るもので、安いとは言えませんが据え置きやハイエンドなものと比べたらお手頃価格と言っても良いかなと思える機種です。4.4mmジャックと3.5mmジャックに対応しているので、バランス接続で良いヘッドホンを鳴らすのも良いし、ダイソーヘッドホンのようなヘッドホンを頑張って鳴らすのにも良いと思います。ボディがカッコいいし。
USB DACで思いっきり鳴らせば、パワー不足だったことを忘れるほどのパワフルな音が耳に飛び込んできます。最初の貧弱で低音ばかり強いヘッドホンという印象は消え、低音が強めな傾向は残しつつ、音を聞けるヘッドホンに変わります。中高音のこもりは根本的な解決が出来ていないのはすでに触れていますが、それでもイヤーパッドの交換で多少は改善されています。装着感も(好みのレベルですが)悪くないですし、私は眼鏡なのでイヤーパッドが柔らかくなった結果、眼鏡のつる部分を圧迫しなくなって楽ですね。
手持ちのヘッドホン・イヤホンの中で最もお気に入りな『VENT』と比べたらやっぱりまだまだといった所ばかりですが、ヘッドホン単体で見て、330円にちょっと手を加えてやっただけでこの音が(USB DAC便りとはいえ)得られるのは凄いなと思います。素は悪くないのだろうけれども、色々重なって少し残念なヘッドホンだったのかなと、そう思うくらいです。やったことに対して確実に結果が反映されるわけではないので、費用対効果としては悪すぎるとは思います。
元々は改造を進める中で「ぱっと見はノーマルなダイソーヘッドホンだけど、よくみると何か違うし、聴いた感じも違う個体を作りたい」と思ったことから始めたぷち改造ですが、結果的に難しいことをするよりもこういうのが効果的なのかもなと思う結果となりました。以前から思っていたことではありますが、イヤーパッド換えるだけで全然違いますからね。
ダイソーヘッドホンはBluetoothモデルや550円のモデルが今では(性能と見た目含めて)人気のようですが、個人的には330円ヘッドホンもこういう楽しみ方をするには良いヘッドホンじゃないかなと思います。失敗しても「まあ、330円だし」と、ダメージ少ないですからね(勿体ないは勿体ないですが)。扱いにそこまで神経質になる必要も無いし、ガシガシ使っていこうと思います!
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